勝手にシリーズ化していこうと思っている「薬剤師おすすめ!旅にもっていきたい薬」シリーズ第2弾!(旅行以外でも役立つはず!)
というわけで、第2弾の今回は仕事や旅行に最適な眠くならない風邪薬を症状別に紹介します。
特に海外で風邪をひいた場合、なかなか自分にあった薬を探すのは難しいと思います。
日本で買って持っていくことを想定し
基本的に眠くなる成分を含んでいない、漢方薬をチョイスしました 。
漢方薬とは?
中国の伝統医学をもとに日本で独自に発達した"生薬"*1を決まった割合で配合した薬です。
ちなみに日本の漢方薬と似たものとして
中国では「中薬」、韓国では「韓薬」や「韓方」がありますが
漢方薬はあくまで日本で独自に発達したもので、これらとは別のものです。
なぜ風邪薬は眠くなるのか?
配合されている抗ヒスタミン薬のせいです!
いわゆる風邪薬は一般的に総合感冒薬と呼ばれます。
総合とつくように、
いろいろな成分を配
解熱鎮痛薬で熱を下げたり、のどの痛みを和らげたり
抗ヒスタミン薬でヒスタミンの働きを抑え、鼻水を止めます。
総合感冒薬に配合されている抗ヒスタミン薬は第一世代のものです。
これによって眠気や集中力の低下が引き起こされます。
第一世代の抗ヒスタミン薬って?なんで眠くなるの?と思った方はこのシリーズ第1弾の下記記事をご参照ください。
www.paper-pharmacistravel-agency.com
症状別おすすめ漢方薬
寒気・だるさ
「葛根湯(かっこんとう)」がおすすめです。
風邪には葛根湯!というイメージがあるかもしれませんがどんな風邪にでもいいわけではなく、寒気やだるさといった症状の風邪に最適です。
また、頭痛や肩こりにも効果があると言われています。
漢方薬の味が苦手という方には錠剤タイプもあります。
鼻水・くしゃみ
「小青竜湯(しょうせりゅうとう)」がおすすめです。
花粉症に使われることも多いですが、鼻水やくしゃみといった鼻かぜにも最適です。
漢方薬の味が苦手という方には錠剤タイプもあります。
咳・たん
「麦門冬湯(ばくもんとうどう)」がおすすめです。
あまり耳なじみのない漢方薬かもしれませんが咳やたんといった症状の風邪に最適です。
漢方薬の味が苦手という方には錠剤タイプもあります。
吐き気・だるさ
「柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)」がおすすめです。
あまり耳なじみのない漢方薬かもしれませんが吐き気やだるさといった症状の風邪に最適です。
漢方薬の味が苦手という方には錠剤タイプもあります。
のどの痛み
「桔梗湯(ききょうとう)」がおすすめです。
いちばん効果的な使い方は、
「ぬるま湯に溶かした桔梗湯でうがいをした後にそのまま飲み込む」
家にいるときはいいかもしれませんが、
そもそもうがいしたものを飲み込むのに抵抗が…っていう方も多いのでは?
そういった方にはトローチタイプがおすすめです。
口の中でゆっくりと溶けるので、桔梗湯のエキスが徐々に喉に行き渡ります。
よく喉が痛くなるので私もトローチタイプを愛用しています。
甘草という甘味成分を含む生薬が配合されているので甘く、味もTHE漢方薬!という感じではないので割りと舐めやすいです。
漢方薬の飲み方
「〇〇湯」という名前に湯が入っているものはぬるま湯に溶かして服用するのが効果的と言われています。
ただし、苦くて飲みにくいという方もいらっしゃると思います(私もその一人です笑)
そういった場合は粉のまま溶かさずに服用したり、錠剤タイプを試してみるのもアリです!
すべての漢方薬に当てはまるわけではないですが、基本的に薬の吸収が悪いので空腹時に飲むものが多いです。※薬の説明をちゃんと読みましょう
空腹時って?
食事の30分前または食後2時間以上たってからを目安に!
まとめ
今回は眠くならない風邪薬として症状別に5種類紹介しました。
旅先で風邪をひいたときに飲むことを想定して、粉薬や錠剤という携帯しやすいものを中心に紹介しましたが、ビンに小分けされたドリンク剤などもありますのでご自身にあったタイプのものをさがしてみるものいいと思います。
冒頭でも紹介しましたが、漢方薬は日本独自のもので海外では基本的に売っていないので旅の持参薬の一つの選択肢としていかかでしょうか?
*1:「しょうやく」と読みます。